株主優待クロス取引(つなぎ売り)|注意点、失敗談、費用、利回り

お得な株主優待をさらにお得に取得する魔法の手法、優待クロス取引(つなぎ売り、優待タダ取り)を紹介していきます。

クロス取引についてご存知の方でも、注意点や必要な費用、期待利回り、私の失敗談まで徹底的に解説するので、ぜひご覧下さい。

銀行に眠っているお金があれば、間違いなく有効な使い道の一つとなると思います。

10秒で分かる本日の概要
  1. 優待クロス取引は1%強ぐらいの利回りが一般的だが、資金拘束期間が短いので年利換算で30%近い利回り
  2. 逆日歩がつかない一般信用を使えば、初心者でも誰でもノーリスク(手数料のみ)での優待取得が可能
  3. 私のように権利確定タイミングを間違えるなどの失敗はあるので、人為的なミスには気を付けて!

株主優待クロス取引(つなぎ売り)

株主優待とは

株主優待とは、企業が株主に対して、自社製品や金券、食品などを提供する株主還元策の一つです。

日本独自の文化で、アメリカなど欧米ではこのような制度を実施している企業はほぼ皆無です。

株主優待を取得するためには、企業が設定している条件(保有株数など)を権利確定日までに満たす必要があります。

例えば、優待が人気のマクドナルドなら、3月末もしくは9月末の3営業日前までに100株保有していれば、バーガー類、サイドメニュー、飲物がセットになった優待券を6枚もらえます。

カゴメなら、6月末時点で100株を6か月以上保有していれば、2000円相当の自社製品がもらえます。

このような取得条件は、企業ホームページや証券会社が提供してくれる企業情報に書いてあることなので、誰でも簡単に調べることが可能です。

株主優待クロス取引(つなぎ売り)とは

通常、株の売買には価格変動リスクを伴いますが、クロス取引(売りと買いを同時に入れる)によって、価格変動リスクを回避して株主優待を取得する手法です。

優待タダ取り、つなぎ売りとも呼ばれます。

やり方は簡単で、株主優待を取得するためには現物株で持つ必要がありますが、現物株購入時に信用空売りも入れることで、売りと買いのポジションを持っている状態にして権利確定日を迎えます。

これによって、いくら価格変動しても、売りと買いで発生する損失と利益は同額となるため、売買手数料のみで株主優待を取得することが可能です。

優待タダ取りなんて呼んでいますが、手数料はかかってしまう点はご注意下さい。

もちろん、手数料が数百円~千円弱で、数千円~1万円弱の優待を取得することができるため、お得な手法であることは間違いありません。

現物取引や信用取引の意味が分からない方は、下記ページで説明しているので読んでみて下さい。
株売買の種類|現物取引、信用取引、PTS取引

実際に儲かるのか(費用と利回り)

この手法がお得と言っても実際のところピンとこないと思うので、もう少し具体的に説明します。

発生する費用は、①現物買いの手数料②空売りの手数料③貸し株料の3つです。(後述しますが一般信用取引で取引するのがセオリーなので、その場合の発生費用です)

概要 SBI証券の場合 GMOクリック証券の場合
①現物買いの手数料 現物を買うときに発生する手数料 10万以下:97円
20万以下:113円、他省略
10万以下:95円
20万以下:105円、他省略
②空売りの手数料 信用売りをするときに発生する手数料 10万以下:97円
20万以下:145円、他省略
10万以下:96円
20万以下:140円、他省略
③貸し株料 信用売りで株を借りている期間発生する金利 信用建て玉に対して
年利3.9%(日割り計算)
信用建て玉に対して
年利3.85%(日割り計算)

ちなみに、現物売りと空売りの買い戻しの手数料については、現渡しという処理をするので売買手数料は発生しません。なので、かかる費用は上記3つだけです。

これを基に、吉野家の株でクロス取引をしてみたとします。

取得金額は100株で172,000円(19年5月8日時点)となり、SBI証券で権利確定の14日前に取引した場合の必要コストは113円+145円+(172,000円×0.039×14日÷365日)=515円です。

もらえる優待は、吉野家グループで使える300円金券10枚(3000円相当)です。

つまり、515円のコストで優待3,000円相当が取得可能なので、2,485円の利益が出ます。

172,000円を14日間投資しただけで、1.44%の利回りなので、年利換算すると37.54%となります。

もちろん、投資金額や保有期間によりパフォーマンスは変動するので、一例としてみて下さい。

いずれにせよ、株主優待のクロス取引がお得と言われるイメージは掴めるのではないでしょうか。

株主優待クロス取引(つなぎ売り)の注意点

逆日歩の発生(一般信用取引で回避)

信用取引には、一般信用取引と制度信用取引と呼ばれる2つがあります。

制度信用取引は証券取引所がオフィシャルに提供しているサービスで一般信用と比べて貸し株料が安い(SBI証券、GMOクリック証券だと1.15%)ので、一般信用取引よりもメジャーです。

ただし、優待のクロス取引で使うと逆日歩と呼ばれる恐ろしい手数料が発生する可能性が高いので、一般信用取引を使うようにして下さい。

逆日歩というのは、株を借りる時に発生する特別費用みたいなものです。

逆日歩の説明を少しだけしておきます。利回りが高い株主優待の権利落ち日には、優待分の価値が値下がりするのが一般的です。

そうなるのが分かっていると空売りすれば儲かるので、みんながその株を空売りしたいと考えます。

結果、その株の貸し株料が跳ね上がってしまうという現象が逆日歩です。

そして、この逆日歩はどれだけのコストになるのか当日になるまで分からないので、優待価値を上回る出費になることも良くある話です。

これに対して、一般信用取引は各証券会社が自由に設定するものなので、逆日歩は発生しない仕組みにしています。

その代わり、少し手数料(金利)が高めに設定されていますが、数百円出費が増えてもいくらになるか分からに逆日歩リスクを回避できる一般信用取引の方が良いです。

信用空売りの在庫数

一般信用取引で無駄なリスクは回避するべきだとお伝えしました。

しかし、一般信用取引は証券会社が独自で設定するものなので、数に限りがあります。

この一般信用取引自体は市場のゆがみを証券会社が吸収してくれているものなので、証券会社としては、あまり積極的にやりたくないです。

むしろ、自分のところで口座を作って欲しいがために、提供しているサービスなので、たくさん在庫を準備しておくということはありません。

クロス取引を始めた方が一番最初にぶつかる壁で、在庫が無くてそもそも空売りできず、なんだかんだとパフォーマンスが低い、人気のない銘柄をクロス取引することになります。

ちなみに、GMOクリック証券だと、一人の投資家が空売りできる株数を制限しているので、他社と比べると結構在庫が残っています。

保有期間で優待内容が変わることもある

冒頭で紹介したカゴメのように、6か月以上保有している株主にのみ優待を提供する等、長期保有を優遇する企業が増えてきています。

クロス取引では、その瞬間に株主になるだけなので、長期保有の条件が付いている銘柄では優待が少なかったり、無かったりすることもあるので、優待の条件は必ず確認するようにして下さい。

ちなみに、6か月以上保有の判定方法ですが、半期のタイミングで持っていれば良いケースとずっと持っていなければいけないケースなど、企業によって様々なので、その点も注意して下さい。

私のクロス取引の失敗談

実際に、どんな失敗をしたのか

上記のような注意事項は分かっていても、思わぬところに落とし穴があるものです。

反面教師として戴ければ幸いですが、私のクロス取引での失敗事例を紹介していきたいと思います。

簡単に説明すると、一般信用空売りは返済期限が14日前など各証券会社によって決められているのですが、返済期限を1日間違えていて強制決済をくらうという失敗をやらかしてしまいました。

この月の権利確定日は2月26日でしたが、返済期限が2月25日になっているのが分かると思います。

この証券会社については、手数料が余計にかかっただけで済みました。(フライングクロスと呼ばれるれっきとした手法みたいです)

証券会社によっては、強制決済のペナルティーで1銘柄につき1万円の罰金を払わされることもあるので、気をつけた方が良いです。

まあ、自分のようなミスしない限り、普通は強制決済なんてされないのですが・・

この経験から気付いたこと

この失敗は、人気銘柄の争奪戦に参加したことが招いた結果でした。

そもそも、そんな早くからやって金利も沢山取られて、間違うリスク(私だけ?)も負いながらクロス取引するなんて馬鹿げているということに気付いてしまいました。

ということで、現在は、1週間前ぐらいから銘柄の物色を始めて、その時点で残っている高利回り銘柄をゲットしていくという手法に切り替えました。

GMOクリック証券だと、一人の投資家が空売りできる株数を制限しているので、1週間前でも利回りの高い銘柄が残っていることが多いです。

銘柄選定のポイントが気になる方は、合わせてこちらも読んでみて下さい。

クロス取引ならGMOクリック証券がおすすめ

取引コストが安い

さすがに業界最安水準と言うだけあって、手数料が安く設定されています。

特にクロス取引では、もらえる優待額が当初より増えることは無いので、この手数料をいかに安く済ませるかが、パフォーマンスを上げていく鍵になってきます。

GMOクリック証券は、手数料については申し分のない会社です。

また、後述しますが、さらに手数料を安くする裏技があるので、最後まで読んでみて下さい。

一般信用売りの在庫数が豊富

優待のクロス取引をしようとすると、本当に一般信用売りの在庫が無くて泣かされることが多いです。

最近は、クロス取引がメジャーになってきたので、参加者が増加して争奪戦はますます激しさを増しているように感じます。

ただ、在庫が無い本当の原因はクロス取引ではありません。

人気優待の場合、権利落ちで株価が下落します。例えば、クオカードやら人気飲食店の金券などは、ほとんど現金と変わらない価値があります。

配当金落ちという現象があるのに、優待で株価下落しないはずがないのです。

空売りすれば利益が出るのですが、通常はその代わりに逆日歩というコストが発生するので、空売りする人は多くありません。

一般信用売りでは、その逆日歩が発生しないとなれば、手堅く儲かるので在庫数が尽きるまで空売りしたいという人が現れるわけです。

GMOクリック証券では、一人の投資家が空売りできる株数を制限しているので、上記のような大量の空売りを避けることができ、他社と比べると結構在庫が残っていることが多いです。

GMOグループの株主優待を活用すればさらにお得

最後に、GMOグループは数社が上場しており、各社株主優待を実施しているのですが、その中に売買手数料をキャッシュバックしてくれるものがあります。

これを活用すれば、もともと安い手数料を更に抑えることが可能となります。

銘柄(証券コード) キャッシュバック金額(半期ごと)
GMOインターネット (9449) 100株以上:5,000円
GMOフィナンシャルホールディングス (7177) 100株以上:3,000円 300株以上:5,000円 500株以上:7,000円
1,000株以上:10,000円 3,000株以上:13,000円 5,000株以上:15,000円
GMOアドパートナーズ (4784) 100株以上:3,000円
GMOクラウド(3788) 100株以上(6ヵ月以上継続保有):3000円
GMOペパボ(3633) 100株以上:1,500円 200株以上:3,000円

5社紹介しましたが、上記マーカーを引いた3社が優待利回り10%超なので、100株ずつ保有しておけば、半期で11,000円、1年間で上限22,000円での支払った手数料分だけキャッシュバックを受けられます。

売買手数料で22,000円も使うのは、逆に大変だと思います。

ということで、優待のクロス取引を始めるなら、GMOクリック証券を選ぶのが最も効率的です。