仮想通貨はまだ資産と呼ぶには心もとないものです。

そんな仮想通貨に、なぜ何十万もの価値が付けられて、さらにそれが値上がりするのか、本当に不思議なことです。

実際にまだまだ未成熟な仮想通貨について、本来の貨幣価値の意味や今後の仮想通貨がどうなっていくのかを説明したいと思います。

仮想通貨は資産ではない理由

仮想通貨とは

仮想通貨とは、ネット上で取引される実態のない決済手段のことです。

Suicaや楽点Edyなどの電子マネーとは明確に区別され、電子マネーは国家により発行される法定通貨(ドルや円)によって価値が固定されているという特徴があります。

逆に、仮想通貨の最大の特徴は国家により保証が無いところにあります。

リップルやネムに代表される特定の企業によりコントロールされる集中管理型やビットコイン、イーサリアムに代表される特定の管理者を持たない分散型という種類はあるが、国家の裏付けが無い点は共通です。

通貨の歴史をたどっていけば、もともとは金などの現物資産によりその価値を担保されてきました。

しかし、現在では国家の信用力によって担保されており、今ある通貨が信用を獲得するのに数百年という年月を必要としたぐらいなので、何も保証の無い仮想通貨は胡散臭く見えるというわけです。

実際に、アメリカが金本位制度を廃止を発表したニクソンショックでは、金という明確な保証が無くなり、国の信用力のみが担保となる曖昧な概念に変わり世界経済は大パニックに陥りました。

いくら時代の流れが早くなってきているからと言っても、お金に関わる部分で大衆から支持を得るのは相当な時間がかかります。

通貨の3つの機能|仮想通貨は貨幣ではない

仮想通貨が市民権を得るためには、通貨の機能を満たす必要があります。

この点において、仮想通貨は通貨の機能は果たしていない点は良く指摘されます。

本来、通貨には①価値保存機能②価値尺度機能③価値交換機能、の3つの機能が必要です。

ザックリ言えば、貨幣にはモノの価値を示す指標となり、モノの価値を評価するための尺度にもなり、モノを交換するための手段にもなるといったイメージです。

これらの機能は、名前を読むだけでもなんとなく想像できるかと思います。

そして、通貨の機能の前提にあるのが、通貨の価値そのものが安定していることにあります。

仮想通貨は、まだ価値の裏付けやそのポテンシャルが明確になっていないために、貨幣価値が非常に不安定です。

実際に、2017年4月からのビットコインの値動きが下図となります。

10万円程度の価値だったものが、1年足らずで200万円を超え、その1年後には50万円を割れ込むまで、価値が下落しています。

仮想通貨で最もメジャーなコインであるビットコインでこれだけ不安定な値動きをしており、とても通貨として使うことができない状況です。

将来的には、仮想通貨の価格は安定してきて通貨としての機能を持つ可能性はありますが、現状は、通貨や貨幣と呼べるシロモノではないという点は押さえておきたいところです。

仮想通貨に金や銀の価値があるのか

じゃあ、仮想通貨って何なのかという話ですが、現在は投機の対象にしかなっていません。

金や銀のように希少性により価値が約束されている資産と同じような位置づけです。

一方で、金や銀のような実物資産では無いため、仮想通貨の価値とは何によって担保されているのかはかなり曖昧になっています。

そのような背景がありながらも、先ほど示した仮想通貨のチャートのように信用が信用を生んで2017年末に大暴騰しました。

仮想通貨を買った方は少なからずいると思いますが、仮想通貨の価値を理解して買っていた方はいないと思います。

16世紀にオランダで起きたチューリップバブルと似たようなもので、当時珍しかったチューリップの球根に相当な高値が付いた現象と同じで、価格が上がっていくからなんとなく買ってみたに過ぎない状況です。

時として、人間はたいして価値の無いものに、あり得ない高値を付けてしまう不合理な生き物であり、歴史は繰り返すわけです。

つまり、仮想通貨の値段とは、人々の狂気の中でつくられた数字に過ぎず、実態の無い仮想通貨に本当にその価値があるのかどうかは、数年後、数十年後になってみないとまだ分からないということです。

仮想通貨は資産ではない

このように、仮想通貨というのは現状貨幣の機能も持っていない、資産としての価値も曖昧なものであるということは理解しておく必要があります。

なんでこんなに値動きするのかと言えば、ブロックチェーン技術の先進性やこれまでの金融概念を壊す新しい考え方だから、新しい市場に期待が膨らんでいるだけです。

まさに、みんながベンチャー企業へ投資をしているような気分になっているわけです。

ブロックチェーン技術などは間違いなく将来性のある技術ですが、仮想通貨が将来性のある通貨であることとは無関係な話だと言うことを認識している人は少ないです。

仮想通貨は曖昧なものなので、その説明もどうしても曖昧なものになってしまいますが、現状仮想通貨にはたいした価値は無いということは知っておいた方が良いことです。

貨幣価値の決まり方

貨幣価値と物価の関係

せっかくなので、貨幣価値についても少し説明していきます。

貨幣の購買力とも表現される貨幣価値ですが、歴史で見ていけば、その日本の貨幣価値は経済成長により日本の信用力が増してきたことにより大きく変わってきました。

日本の大卒初任給で20万円ぐらいですが、それを東南アジアに持っていけば豊かな生活ができるなんて話は聞いたことがあると思います。

それは、日本の貨幣価値が東南アジアに対して強いので、日本で1万円のものが東南アジアではもっと安く手に入るということです。

これは物価が安いとも表現をされます。貨幣価値と物価には密接な関係があり、貨幣価値が上がれば物価は下がるし、貨幣価値が下がれば物価は上がるといった具合です。

実際に、日本の貨幣価値はバブル成長期までは下がり続けて(物価は上がり続けて)きました。

1950年代の日本ではラーメン一杯は30円~40円程度だったわけです。

貨幣価値や物価を意識しなくなったのはここ20年ほどで、日本社会はデフレでモノの価値が下がる(もしくは横ばい)という現象が起きていました。

アベノミクスで景気が上向き、日銀がインフレ誘導しようと頑張っているので、物価は多少上がってきていますが、金融政策がちぐはぐなので、現在の日本でインフレは起きにくいです。

ちなみに、マイナス金利やめたらインフレする可能性が出てきます。

少し脱線しましたが、貨幣価値と物価には負の相関があるということは押さえておいて下さい。

貨幣価値の決まり方

貨幣価値についてザックリ見てきましたが、そもそも貨幣価値がどのように決まるのかというと、通貨の価値は国の経済力によって決まってきます。

国の経済力とは、自国の工業や農業などが発展することで、これらが発展すると諸外国に対して自国通貨のニーズが増えていくことになります。

例えば、日本製品を買いたいとなっても日本国内に売っているものは円でしか買えないから、他国通貨を円に換金しなければならないです。

アメリカで売ればドルで買えますが、ドルで得た売上は最終的に日本人の給与や日本人投資家への配当として還元するために円に換金されます。

このように、自国経済が発展していけば、自国通貨の需要が増していき、自国通貨の価値が上がっていくわけです。

仮想通貨の価値を考える上ではここが一番重要なポイントです。

今後の仮想通貨|仮想通貨の未来は明るい!

現在の値上がり要因

仮想通貨の話に戻して、値上がり要因について説明していきます。

先ほどの繰り返しになりますが、通貨というのは本来は、自国経済が発展して、自国通貨の需要が増していくことで、自国通貨の価値が上がっていくというものです。

つまり、仮想通貨が通貨として市民権を得て、ニーズを獲得すれば、通貨価値は上がります。

勘違いしてはいけないのは、今そうでなくても将来的にそうなるだろうと思う人が多ければ、仮想通貨の価値は上がっていくということです。

仮想通貨の未来は明るい

得体のしれない仮想通貨の値動きについてなんとなく見えてきたでしょうか。

今後、仮想通貨の需要が増えていくと考えれば価値は上がっていくし、通貨としてはたいしたの需要しか見込めないと考えるならば、継続的に通貨量が増えるので価値は下がっていくことになると思われます。

今の変動幅の大きさは、まだ広く一般には浸透しておらず曖昧な部分が多すぎて最終的な需要が読めないため、投機的な値動きになっていると考えられます。

主観的な意見ですが、今後の需要という点では仮想通貨の未来は明るいのではないかと考えます。

グローバル化が進む中で、国によって通貨が違うという環境よりも同じ一つの通貨で経済を回した方が効率的なのは明らかです。

今の経済環境や金融システムにおいて、仮想通貨が入り込む余地は十分あるので、今後の仮想通貨はポジティブだと考えています。