デフレの日本でインフレリスク対策は必要?具体的な対策方法は?

保険や投資信託を売りつける際の決まり文句の一つにインフレリスク対策というものがあります。

実際に、嘘は言っていなくて、金融商品はインフレリスクへの対策になります。

一方で、本当にそんなリスクを考慮する必要があるのか疑問が残るところではあります。

なので、日本のインフレについて考えつつ、セールスマンに口車に乗せられないように、最低限のインフレリスク対策の知識について説明していきます。

10秒で分かる本日の概要
  1. 日本でインフレが起きる可能性は極めて低い
  2. 日本政府が掲げるインフレ目標2%も大ぼらなので気にする必要はない
  3. それでもインフレリスク対策するなら保険が最も簡単。でも、投資の方がもっと資金効率が良い

デフレ国家の日本でインフレリスク対策は必要か

インフレリスクとは

インフレリスクとは、物価上昇することによって相対的にお金の価値が目減りするリスクです。

例えば、100円だったジュースが、ある時から110円になったとします。

ジュースの中身や容量が一切変わっていないならば、ジュース本来の価値は変わりません。では、何が変わってしまったのかというと、円の価値が下がってしまったのです。

円の価値が下がれば、今の100円はそれまでの100円よりも価値が低くなってしまいます。

昔の100円は今の110円ぐらいの価値になっているとしたら、ジュースの価格が110円になってしまったことも説明がつくというわけです。

実際に、昔の日本ではラーメンが100円ぐらいで食べられたし、電車も1区間が50円ぐらいでだった時期がありました。

もちろん、それに伴って、国民の平均給与も数万円ぐらいだったのですが、昔と比べれば日本がインフレしていることは変わることの無い事実です。

経済的に言うと、インフレというのは経済成長を促すので悪いことではないのですが、今持っているお金の価値が下がってしまうという意味でインフレリスクというものは考えていく必要があります。

インフレが起きる理由

通貨の価値というのは需給により成り立っています。

通貨を貯める人より使う人の方が増えれば、物価は上がり、企業業績が上がり、給与が増えていきます。このサイクルにより通貨が徐々にインフレしていくというわけです。

また、海外との関係でもインフレを説明することができます。

例えば、外国企業が日本にものを売りつける際に円で売り上げがたつわけですが、自国従業員に給料を支払ったり、税金を払ったりするために、その円を自国通貨へ変える必要があります。

他の例だと、日本人投資家が海外に投資しようと思ったときに真っ先にするべきは日本円をその国の通貨に交換することです。そうしないと投資することができません。

こうした海外との関係で、日本円が売られて円の価値が下がり、インフレの一因となります。

インフレというのは様々な経済要因が絡まって起きる現象なので、これが原因というものはありませんが、大まかに言えば、上述したような要因でインフレが発生します。

政府目標はインフレ率2%

日本政府は現在インフレ目標を2%に設定しています。

何で2%という話ですが、経験則的に2%が最も経済に良い影響を与えると考えられているからです。

実際に、インフレが良いと言っても高すぎれば、ハイパーインフレと呼ばれて、通貨が破たんしてしまうこともあります。

そうなれば、国際的な信用問題なので、インフレはほどほどにというのが世界の共通認識なのです。

アメリカなどの先進国ではインフレ率目標を2%にするのが一般的になっており、日本もそれを見習って同じことを言っているだけです。

実際には2%インフレなんてここ数十年で1回あったかぐらいなのですが、こうしておかないと日本円が通貨安定する安全資産と見なされ円高要因になってしまいます。

なので、日本政府が掲げるインフレ目標2%というのは、世界へのけん制と少しの願望を反映した数字ということになります。

デフレ国家の日本でインフレはない?

では、本当に日本ではインフレは起きないのかという話です。

結論から言えば、絶対はないけど日本でインフレする可能性は極めて低いです。

というのも、日本人というのは貯金大好きな民族です。そして、物価が上がることに対して、過剰なまでの拒否反応を示します。(まあ、給与が上がらないので当然なのですが・・)

また日本は、トヨタやソニーなどに代表される超輸出大国でもあります。

輸出ということは海外にモノを売るので、海外で得た外貨を日本円に交換するという作業が発生します。これにより日本円の価値はむしろ上がってしまいます。

つまり、もともとインフレしにくい国民性に加えて、経済構造は円高に振れやすくなっているので、インフレの逆で物価が下がっていくデフレが起きやすい国なわけです。

具体的なインフレリスク対策

NGなインフレリスク対策

日本に住んでいてインフレリスクなんて気にする必要ないわけですが、日銀が市場に大量の資金を注入してインフレさせようと必死なので、一応インフレ対策しておいても損はないです。

そうした中でも、絶対にやってはいけない対策が、金融機関が提供する外貨預金です。

一見すると、外国通貨に変えておく行為なので、インフレリスク対策になりそうですが、価格変動リスクが高いので、リスクヘッジしたつもりがむしろリスクが高まってしまいます。

また、金融機関が提供している外貨預金にはスプレッドと呼ばれる手数料が知らぬ間に含まれている点も注意が必要です。

海外旅行したことがある方なら分かると思いますが、空港で外貨と円を交換しようと思ったとき、外貨を買う場合と売る場合でレートが全然違うということに気付くと思います。

これがスプレッドと呼ばれるもので、サービス業者の手数料になるわけです。

一部のネットバンクなど、スプレッドが狭まってきているものの、メガバンクなどが提供する外貨預金はスプレッドが広いので、インフレ以上に手数料で損をしてしまいます。

なので、外貨預金だけは絶対にNG行動だということを知っておいて下さい。

インフレリスク対策で簡単なのは保険

インフレリスク対策で最も簡単なものは保険だと思います。

掛け捨てではなく貯蓄型の保険であれば、支払う金額以上に最終的に受け取れる金額が多い保険というものが存在します。

勘違いしないで欲しいのは、総受取額が増えるのがインフレリスク対策になるわけではありません。

十数年保険料を払った後に受け取れる金額は数%増えるぐらいなので、1年で2%インフレするならばあまり意味がありません。

重要なことは、この毎月支払う保険料が所得控除の対象になるということです。

世帯年収が600万円だと所得税と住民税で30%の税金が課せられています。

もし、毎年15万円の保険量を支払っていたとすると、15万円×30%=45,000円の税金が戻ってくるということです。

年収600万円の手取りというと450万円ぐらいで、その中から貯金できるのは100万円ぐらいが妥当な水準ではないでしょうか。

もし、この100万円が2%のインフレリスクに晒されるとすれば、2万円目減りしていく計算です。

つまり、45,000円税金を取り戻せれば、インフレで毀損してしまう金額2万円よりもお金を増やすことができるというわけです。

この計算は毎年成り立つので、インフレ2%ぐらいならば、リスクヘッジできて、肝心の元本は将来ちょっと増えて返ってくるので損しないということになります。

投資は少し難しいが保険より儲かる

保険を使えば、手堅くインフレリスク対策できることは上述した通りですが、少し勉強して投資してみるともっと効果的なインフレリスク対策となります。

厳密には、もっとお金を増やせるので、強烈なインフレでも資産を守ることができます。

例えば、株式投資は最たる例ですが、株価というのは企業価値に連動しています。企業価値が変わらずに、お金の価値だけ下がれば、当然株価は上昇するわけです。

これは物価上昇と同じ理屈です。さらに、インフレすると企業業績は上向いてくので、企業価値向上が期待できます。

つまり、投資はインフレ率以上に価値の上昇が期待できるということです。

とは言え、株式投資というのは企業分析したりしなければいけないので、難しさがあります。そこでおすすめなのが、J-REITです。

J-REITは、株式投資と仕組みが変わりませんが、不動産に投資することに特化した会社が発行する証券のことです。

インフレというのは、当然不動産価格も上昇するので、このJ-REIT各社の企業価値上昇も期待することができます。

また、やっていることが不動産投資だけとシンプルなので、勉強するべきことも少なくて初心者におすすめの投資対象と言えます。