オプション取引の戦略|オプションの組合せによるリスク管理

オプション取引というと物凄く難しそうなイメージを持っている方が多いと思います。

実際に結構難しいのですが、重要なことはその組合せによって、リスクとリターンをコントロールできることにあります。

つまり、リスク管理ができるということです。

オプション取引は、プロも使っている投資の幅を広げてくれる取引です。使いこなせれば、それだけ儲けるチャンスも増えてきます。

10秒で分かる本日の概要
  1. オプション取引を用いることで、通常の取引のリスクとリターンをコントロールできる
  2. オプションは大きく分けて2つの種類があり、買う権利をコールオプション、売る権利をプットオプションと呼ぶ
  3. オプションを様々に組合せることで、有利にトレードできるようになる

オプション取引とは

オプション取引とは

オプション取引とは、あらかじめ将来決められた価格で買う(売る)権利を取引することです。

例えば、現在の株価が500円のA銘柄を1カ月以内に600円で買う権利を取得したしたとします。

現時点では、現在値よりも高い価格のオプションなので権利行使すると損してしまいますが、もし2週間後に株価が大暴騰して800円まで上がったとします。

この場合、時価が800円の株式を600円で購入できる権利を行使すれば丸儲けなわけです。この例は、企業が従業員や経営者に付与するストックオプションと呼ばれます。

また、オプション取引を使えば、リスクヘッジも可能となります。

例えば、500円で買ったB銘柄を500円で売る権利を持っているとします。

もし、700円に値上がりすれば200円の値幅が利益になるし、もし値下がりして300円になっても500円で売る権利を行使すれば損失を避けることができます。

このように、オプション取引を通常の取引と併用することで、リスクコントロールが容易になるので、より大胆なリスクを取った投資が可能となり、投資の幅が広がっていくわけです。

コールオプションとプットオプション

上述したように、オプションには大きく分けて、買う権利と売る権利があります。

それぞれに名称があり、買う権利をコールオプション、売る権利をプットオプションと呼びます。

各オプションの損益グラフは下図となります。

上図のような損益グラフはオプションの話をするときに良く用いられるので、まずはシンプルなもので慣れておいて下さい。

グラフが権利行使前がマイナスになっている理由は、オプションにはプレミアムと呼ばれる手数料が発生するからです。

つまり、コールオプションで見ると、行使価格より安い価格の場合、権利行使すれば、プレミアム(手数料)分の損失に限定していると考えることができます。

そして、プレミアム分を利益が上回る価格レベルが損益分岐点となり、それ以降は価格が上がれば利益が増えていきます。

ヨーロピアンオプションとアメリカンオプション

もう一つオプションを区別する基準があり、それはいつ権利を行使できるかということです。

もう少し具体的に言うと、オプションには決められたタイミングでしか権利行使できないものと、決められたタイミングまでならいつでも権利行使できるものの2パターンがあります。

決められたタイミングでしか権利行使できないものをヨーロピアン・タイプと呼び、決められたタイミングまでならいつでも権利行使できるものをアメリカン・タイプと呼びます。

つまり、オプションを区別する際は、上述したコールなのか、プットなのか、そして、ヨーロピアンなのか、アメリカンなのかという4パターンに分類することができます。

オプション取引の戦略|オプションのリスクとリターン

カバード・コール

まずは、オプション戦略の中では最も有名なカバード・コールについてみていきます。

カバード・コールとは、現物買いとその現物のコールオプション売りを組み合わせる戦略です。

実際に、以下のような損益グラフになります。

このようなグラフになるため、権利行使価格以上の値上がり益には上限ができてしまいます。

しかし、その代わりにオプション売りによるプレミアムを受け取ることができるので、通常の現物買いより損益分岐点の価格を下げることができます。

カバード・プット

カバード・プットも代表的なオプション戦略の一つで、現物売り(空売り)とその現物のプットオプション売りを組み合わせる戦略です。

損益グラフは以下となります。

カバード・コールとは、逆になるイメージで、暴落時の利益を放棄する代わりに、オプションのプレミアムを受け取ることができます。

ストラドル

ストラドルとは、同じ権利行使価格のプットオプションとコールオプションを組み合わせる戦略です。

プットとコールの売りを組み合わせることをショート・ストラドル、買いを組み合わせることをロング・ストラドルと言います。

損益グラフは以下となります。

どちらに動くか分からないが値幅が限定されそうな場合は、ショート・ストラドルが有効な戦略です。

逆に、大きな値動きが予想されう場合には、ロング・ストラドルが有効な戦略です。

ストラングル

ストラングルは、異なる権利行使価格のプットオプションとコールオプションを組合せる戦略です。

プットとコールの売りを組み合わせることをショート・ストラングル、買いを組み合わせることをロング・ストラングルと言います。

損益グラフは以下となります。

戦略としては、ストラドルと同じで、どちらに動くか予想できない場合に値幅の大きさ合わせてショートかロングの戦略を選択していくことになります。

クレジット・コール・スプレッド

クレジット・コール・スプレッドは、権利行使価格が異なる2つのコールオプションを組み合わせる戦略のことです。

損益グラフを見た方が早いので、下記をご覧下さい。

このオプション戦略では損益に下限を設定できるのでリスクを抑えた取引が可能としつつ、オプションの売りを組み合わせてプレミアムを受け取れるので、単独オプションに対して利益が限定されてしまう反面、取引コストを抑えることができます。

なので、価格の下限がある程度限定されそうな場面で、この戦略は有効です。

デビット・コール・スプレッド

デビット・コール・スプレッドも、権利行使価格が異なる2つのコールオプションを組み合わせる戦略のことです。

コール買いの方がコール売りより安い価格にすると、以下のような損益グラフになります。

クレジット・コール・スプレッドと同じで、プレミアムを受け取るので単独オプションに対して利益が限定されてしまう反面、取引コストを抑えることができます。

ちなみに、気になる方もいると思うので、クレジット・プット・スプレッドとデビット・プット・スプレッドがどうなるのかを補足しておきます。

結論としては、損益グラフの形はクレジット・プット・スプレッドはデビット・コール・スプレッドと同じになり、デビット・プット・スプレッドはクレジット・コール・スプレッドと同じになります。

そんなわけで、解説は省いています。

様々なオプション戦略をみてきましたが、いかがだったでしょうか。

オプションはリスクコントロールが容易になるという感覚は伝わったかと思います。

他にも様々な組み合わせがあり、より複雑に組み合わせれば、より複雑なリスク管理が可能となるので、上述した基本戦略をマスターして、自分なりに試行錯誤してみるのも面白いかもしれません。