お金儲けを阻害するプロスペクト理論とは|克服する4ステップ

人間は損が嫌いな生き物です。

それについては同意して戴けると思いますが、この現象はプロスペクト理論と呼ばれ学問的にもきちんと説明がされています。

実は、こうした損を回避しようとする行動は、結果的に我々の日常で非効率な選択になっていることが非常に多いです。

プロスペクト理論を理解して克服する4ステップを紹介していきます。

10秒で分かる本日の概要
  1. 人間は利益や損失が絡むと確率的に不利な選択をしてしまう傾向がある生き物
  2. 利益に対してはリスク回避する傾向があり、損失に対してはリスクを選好して損失回避する傾向がある
  3. プロスペクト理論克服には、まず理解して、定量化、補正、ルール化という流れが良い

金儲けの障害プロスペクト理論

プロスペクト理論とは

プロスペクト理論とは、行動経済学の中で最も代表的な意思決定モデルの一つで、利益と損失に対する評価においてバイアスがかかり確率的に合理的な判断ができなくなる現象のことを言います。

少し硬い表現になってしまったので、もう少しかみ砕くと、人間というのは利益や損失が絡むと確率的に不利な選択をしてしまう傾向がある生き物だと言うことです。

プロスペクト理論は、名前の由来にもなっている宝くじで説明されることが多いです。

3億円ジャンボ宝くじを多くの人は買い求めますが、宝くじの還元率は約45%と言われており、期待値としては1000円買うと450円しか戻ってこない計算になります。

とは言え、この事実を今日知ったという方は少ないと思います。

45%という細かい数字まで知っていたかはともかく、宝くじの還元率が悪いことを知っていた方が多いと思います。

それにも関わらず、宝くじを買ってしまう方が多いという現象はまさにプロスペクト理論です。

確率に基づいた合理的な選択をするならば、宝くじは買わないという選択が正しいです。

このような話は、身の回りを見渡せば数多くあります。

例を挙げればキリがないですが、タイムセールや全額返金保証など我々の購買選択を鈍らせるワナはたくさんあるのです。

プロスペクト理論を理解して人間がいかにして不合理な選択をする生き物なのかを知ってみると面白いのではないでしょうか。

リスク回避と損失回避

プロスペクト理論を少し分解すると、利益に対してはリスク回避する傾向があり、逆に損失に対してはリスクを選好してでも、損失回避の傾向があることが分かっています。

例えば、10%の確率で100万円、90%の確率で0円の現金をもらえる場合と単純に現金10万円をもらえる場合、皆さんだったらどちらを選ぶでしょうか。

おそらく、10万円を選ぶと思います。

期待値は同じ10万円なのに、多くの人がリスクを嫌い10万円を選びます。

逆に、10%の確率で100万円、90%の確率で0円の現金を支払う場合と単純に現金10万円を支払う場合、皆さんはどちらを選択するでしょうか。

おそらく、リスクを取る選択をすると思います。

多くの方は、0円にできる可能性があるならば、否応なく10万円払うよりは良いと考えてしまうのです。

つまり、利益になるような話ではリスク回避の方向に、損失ではリスク選好の方向に、不利な選択をする可能性が高いので軌道修正してあげる意識を持つと良いかもしれません。

現状維持バイアス|なぜ金儲けの障害となるのか?

現状維持バイアスとは、変化するリスクを恐れて現状維持したがる人間の心理傾向のことを言います。

大きなチャレンジをしようとしたり、これまでの習慣を変えようとしたりしても、なかなかうまくいかない経験は誰しもが持っているのではないでしょうか。

それがまさに現状維持バイアスです。そして、この前提理論となるのが、プロスペクト理論で説明される損失回避の傾向です。

損をしたくない、現状より悪くなりたくない、という心理が働いてしまうのです。

このような現状維持バイアスはお金儲けにおいても間違いなく障害となります。

お金儲けするためには、新しいビジネスを起こしたり、投資をしたりと必ずリスクをとってチャレンジする必要があります。

しかし、そのリスクを取ろうと思うと現状維持バイアスがかかり、なかなか一歩を踏み出せないです。

なかなか新しいことが始められないのは誰しもが同じなので、プロスペクト理論や現状維持バイアスについて落ち着いて考えてみると良いです。

後述していくプロスペクト理論の克服ができれば、現状維持バイアスを外すこともできるので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。

プロスペクト理論克服のステップ

ステップ1 プロスペクト理論を理解する

まずは、プロスペクト理論の本質である「利益に対してはリスク回避」「損失に対しては損失回避」の思考になるということを理解して、この思考に引っ張られないように気を付けて下さい。

自分たちが考えるほど人間は合理的に作られてはいません。

克服するテクニックを覚えても、そもそもいつそういった思考に陥っているのかを理解しておかないと無意識のうちに不利な選択をしてしまいます。

プロスペクト理論というものがあるというのは頭の片隅に入れておいて下さい。

ステップ2 期待値を定量化する

何事も定量化が大切です。

先ほど例で出した10%の確率で100万円、90%の確率で0円の現金をもらえるというのは、期待値にすると10万円です。

単純に10万円もらえるのと同じ期待値ということです。

きちんと定量化して比較することによって、選択肢に対してあるべき評価を下すことができます。

定量的な目線で選択肢を分析し主観的な見方をできる限り排除することが、プロスペクト理論克服のためのステップとして必ず必要になります。

ステップ3 フレーミング効果を利用する

上記のように物事を定量化しても、最終決定する際にはどうしても主観的な考えが入ってきます。

そんなときに、偏った考えを補正するのに役に立つのがフレーミング効果です。

フレーミング効果とは、物事の見方を変えることによって印象が変わるという心理現象のことです。

良く手術の話が例に出されます。

「この手術は10%の確率で死亡する」と「この手術は90%の確率で成功する」と言われた場合、同じことを言っているのですが印象が全く違いますよね。

このように、表現方法によって人間の脳が受ける印象は全く違うものになってしまいます。

つまり、プロスペクト理論で引っ張られてしまう傾向に対して、フレーミング効果で補正をかけてやることによって少し公平な判断ができるようになります。

例えば、以下のように言い換えてみます。

10%の確率で100万円、90%の確率で0円もらう⇒100万円をもらえる確率が10%もある

10%の確率で100万円、90%の確率で0円支払う⇒100万円を支払う確率が10%もある

少し印象が変わったのではないでしょうか。

特に、定量化しにくいものはフレーミング効果を使って意図的に補正をかけると有効だと思います。

ステップ4 あらかじめルールを決めておく

上記のような試行錯誤を繰り返したら、それをルール化して同様の意思決定をする際はそのルールに基づいて機械的に決定を下すのが良いと言われています。

例えば、株やFXなど投資の世界では、自分の作ったルールを厳格に運用することが大切です。

これはルール決めるときは得も損もしていない状況なので、公平な目線で意思決定のルールを作ることができるからです。

実際に、100万円損している場面では損を取り返そうとして、無茶な投資をして損失を広げてしまったりするものです。

その瞬間に合理的な意思決定をすることは不可能なように人間はできています。

なので、あらかじめ定量化されたルールを決めておくことで、選択を迫られた際に選択肢を定量化さえすればあとは機械的に意思決定できる状態にしておくことが大切です。

プロスペクト理論を無視してお金を増やす方法

そもそも人間は行動しない生き物

先ほど上述したように、人間は現状維持を選択しやすい生き物です。

これからプロスペクト理論を無視してお金を増やしていく方法をお伝えしていきますが、そもそも何もしないという選択をされてしまうと、正直私から言えることはもう何も無くなります。

別に、私が勧めていることをやる必要はありません。

何でも良いので何か行動を起こして現状を変える努力をしてみて下さい。

やれば絶対にお金が増えていくというわけではないですが、やらなければ絶対にお金が増えることはありません。

これまでの結果で現状があるので、それに不満があるのならば、何か変わらなければ良くなることはあり得ないのです。

積立投資

まず一つ目におすすめなのが、積立投資です。

積立投資とは、あらかじめ決めた頻度と金額で、コツコツと投資していく方法です。

例えば、毎月3万円ずつ投資していくみたいな感じです。

上述したプロスペクト理論の克服方法の「あらかじめルールを決めておく」の究極系とも言える方法です。

プロスペクト理論は売買するという選択において出てくる心理なので、損をしようとも、利益がでようとも、気にせずコツコツ積み立てていくことで、プロスペクト理論を完全に無視することができます。

では、一体何に積立投資すれば良いのかという話ですが、私は米国株をおすすめします。

米国株はおおむね右肩上がりで推移しており、積立投資するならば最適に投資対象と言えます。

また、FTSE100に投資して、配当生活を目指してみるというのも良いかもしれません。

FTSE100というのはイギリスの株価指数のことで、CFD取引というサービスを使えば、日本にいながらイギリスの株価指数へ投資することができます。

アービトラージ

もう一つおすすめの方法がアービトラージです。

アービトラージとは、無リスクで市場のゆがみから利ザヤを抜く投資手法です。

この投資の良いところは、基本的には価格変動リスクを取ることは無いので、プロスペクト理論のリスク回避や損失回避という思考に至らないということが挙げられます。

とは言え、アービトラージってどうやるんだよって感じだと思います。

そんな方へ私はスワップのサヤ取りをおすすめしています。

この方法ならば両建てして価格変動リスクは無くなるので、プロスペクト理論で我々が間違った選択に導かれることもなくなります。

たくさんの投資法があるので、自分と相性が良い投資に取り組んでみれば良いと思います。

しつこいですが、まずは何か行動して現状を変えてみるのが大切です。