無借金経営の間違った考え方|株式投資におけるROEの重要性

借金が無いことは安定性という点では良いことです。

しかし、個人でもそうですが、支払う金利よりも借金を使って得られる利益が大きいのならば借金した方が良いです。

株式投資ではそんな資金効率の高い企業を見つけるために、ROEという指標が使われています。

今日は、そんな切り口で銘柄の正しい選び方を説明していきます。

10秒で分かる本日の概要
  1. 日本の企業経営は株主を重視しておらず、企業成長を最優先に考えない資金効率の悪い経営
  2. 資金効率の良さを測る指標はROE。一般的な目安は8%以上あること
  3. そもそも日本という狭いマーケットで銘柄探しするなら、米国株まで視野を広げると良い

株式投資におけるROEの重要性

なぜ日本の株価はアメリカみたいに上がらないのか

日本はコーポレートガバナンスの浸透が遅れており、株主ときちんと対話して経営ができている会社が少ないと言われています。

近年のふざけた企業の代表格と言えば、東芝が有名です。

15年に不正会計で1千億を超える損失計上をした結果、会見ではガバナンスの強化を株主などの関係者に説明しておきながら、翌年には原発問題で7千億を超える減損を発表に至るという、株主を舐めているとしか思えない企業です。

しかし、東芝は15年の不正会計が露呈するまでは、電子機器メーカーの中で少ない勝ち組企業でガバナンスも進んだ名門優良企業と考えられてきました。

そんな日本を代表する企業でも、株主を馬鹿にした経営しかできないわけなので、日本の企業経営というのは想像以上にずさんな状態です。

それに対して、アメリカは、1980年頃からコーポレートガバナンスの必要性が重視され出し、過度な内部留保に対する課税や証券取引、企業統治への法整備が進められて、現在では株主重視の経営が当たり前となっています。

米企業の経営者は株主を意識して常にシビアに成長戦略を考えています。

なので、アメリカ企業は成長性が高く、株主もそれを知っているから積極的に資金を提供して株価が上がっていき、企業は更なる資金調達が可能となるといった好循環が生まれています。

このような結果は、日本とアメリカの株価に明確に表れています。

投資で重要なことは成長性と資金効率

我々投資家が株式投資で重要視することは儲けることですよね。

そして、儲けるためには株価が上がる企業に投資しないといけないわけです。(空売り手法もありますが、多くの方が買い手側だと思いますので・・)

それを踏まえて、アメリカと日本の違いを考えると、株価を上げていくために必要なことは、いかに資金効率高く成長していくのかを経営者が考えているのかが大切になります。

重要なことなので繰り返しますが、投資で重要なことは成長性と資金効率なのです。

ROEは資金効率を測る指標

では、どうやって資金効率とか成長性を見極めれば良いのかという話です。

日本でもだいぶ浸透してきましたが、アメリカではROEと呼ばれる指標を使って資金効率を測るのが一般的となっています。ROEの計算式は以下となります。

ROEの計算式

ROE(%)=利益÷自己資本×100

ROEは和訳すると、自己資本利益率と呼ばれており、株主から投資された資金を使って、どれだけの利益を出しているのかを測る指標です。

一般的な目安として、8%を超えると資金効率が高い企業として評価されます。

無借金経営の間違った理解

無借金経営とは

無借金経営とは、文字通り借金の無い企業のことです。

投資の世界では、1年以上の返済期限となっている長期負債が無い状態を無借金経営と言います。逆に、1年以内の短期負債はあってもそのように表現します。

我々日本人は借金は悪いことという間違った教育を受けてしまっているので、企業においても借金が少ないのは良い企業と認識してしまいがちです。

しかし、無借金経営の企業を投資先として評価するならば、株主の資金を活かしきれない投資するに値しない企業と評価することがほとんどです。

要するに、借金とは必ずしも悪いものではないです。特に、この低金利の時代はなおさらです。

個人の話で考えると分かりやすくて、例えば年利10%の儲け話があったとして借金の利息が年利1%ならば、借金して投資すれば年間9%儲かるという話なのです。

無借金経営のメリットとデメリット

とは言え、無借金経営にはメリット、デメリットがあります。

無借金経営のメリット
  • 利息という余計な費用が発生しない
  • 万が一経済環境が悪くなっても倒産リスクが低くなる
  • 財務リスクが低減するため、企業としての信用度が高まる

無借金経営することによって、企業としての安定性は高まり、倒産してしまう可能性は大きく低減します。こういった利点もあり、経営者のみならず株主ですら無借金経営は良いと考えがちです。

無借金経営のデメリット
  • 資本効率が下がり、企業に成長に必要な投資にお金が回らない恐れがある
  • 銀行(金融機関)とのパイプが希薄になってしまう
  • 金融機関の関与が減り、ガバナンスが軽視されがちになる

無借金経営ということは、金融機関ではなく株主が主な資金提供者となります。

上述してきたように、日本の経営者は株主を軽視する傾向があるため、そうなると経営陣、企業本位の経営となってしまい、数年先しか見ていない経営になりがちです。

簡単に言えば、将来に向けた投資よりも今ある収益を目先5年維持することに奔走するのです。

収益が一度出てしまえば、投資をケチったり、人を増やさなかったり、要は費用が増えることに目を光らせれば、その後一時的に収益を横ばいもしくは微増させるのは、案外簡単だったりします。

でも、落ち着いて考えると企業はつぶれなければ良いのではなく、成長して株主の出資金を増やすことが使命なので、そういったあるべき企業経営から遠ざかってしまうのが、無借金経営の実態です。

銘柄の正しい選び方

倒産リスクは分散投資で軽減できる

日本の経営は倒産リスクを恐れていることは上述した通りですが、そんなリスク回避を経営者の方にして戴かなくても、我々投資家は自分たちでリスクヘッジすることができます。

その方法は、分散投資と呼ばれるものです。

卵は一つのカゴに盛るななんて相場格言がありますが、その通りで何社かの株式に分散して投資しておけば全部倒産なんてことはまず無いです。

もちろん、倒産すればダメージはありますが、相場から一発退場なんてことにはならないです。

ROEの目安感

上述した通り、銘柄選びの指標としてはROEを取り入れると良いです。ROEの目安感としては8%以上が一般的に知られている目安となります。

ROEを使う上での注意点は、借金の比率を増やせば自動的にROEは良くなるということです。

つまり、利益がそんなに出ていなくても、借金比率が高い企業であればROEは物凄く優秀に見えてしまうというわけです。

前半部では、借金はした方が良いというトーンで書きましたが、何事もやりすぎは禁物です。

リスクを取り過ぎて、ROEがちょっといいぐらいということは、事業に魅力が無いということなので、これはこれで投資に値しません。

安定性を求めるのであれば、ROEと合わせて自己資本比率40%台を確保している銘柄を探してみると良いと思います。⇒自己資本比率とは

日本株よりも米国株がおすすめ

色々書いてきましたが、冒頭で書いた通り日本の企業経営はまだまだ未熟です。アメリカの方がはるかに進んでいるので、いっそアメリカに直接投資してしまうのも選択肢かと思います。

米国株投資というのが、どんなものなのか知っておくと良いかと思います。以前の記事で紹介しているので、、ぜひどうぞ(´・ω・`)

米国株投資と言うと敷居が高い印象を受ける方も多いと思いますが、日本の証券会社から米国株を買える時代なので、食わず嫌いor知らないでチャンスを棒に振るのはもったいないと思います。